画の作りや演者さんの熱の籠った演技は一定の評価に値すると思います。
冒頭、事件は起きますが「探偵モノ」のミステリーではなく、
ジャンル的には「静かなホラー作」で劇伴やジャンプスケアなどの効果より、場面の転換や演技力で醸す雰囲気を重視されているようです。
原作のそれに沿うものなのかなと伺えますが
タイトルとジャケットを頼りに好みの映画を探すに至ったので
舞台演劇の延長のようで少し物足りない感じがしてしまいました。
主人公はタイトル通り
「帝都でその名を知らぬ者がいない程有名な探偵さんじゃ」みたいな
紹介説明のセリフがありましたが、探偵のお仕事はせずに
登場人物の過去を俯瞰視線で覗き見て、その意識に暗示を掛けて書き換えるという、岸部露伴の“ヘブンズドア”のような能力をもって事件を攪乱して去って行きます。
原作にも興味は湧きませんでした。