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PITY ある不幸な男のminaminaのレビュー・感想・評価

PITY ある不幸な男(2018年製作の映画)
3.0
昏睡状態の妻が回復し、自分を哀れんでくれる人がいなくなり、不満が溜まったかまってちゃんのおっさんが、再び自分を被害者にするために頑張るお話。

承認欲求モンスターなので一見先日見たシックオブマイセルフと似てるなと思ったが、まず見た目がおっさんなのと、あちらは自分の体を傷つけて注目を浴びる「ミュンヒハウゼン症候群」、それに対しこのおっさんは家族の身に不幸がふりかかるように画策し、被害者の家族として周囲に同情と注目を集めようとする『代理ミュンヒハウゼン症候群』だから全然違った。

いくら精神病とはいえ、自分が傷つくのは嫌だから他者を傷つけて被害者ぶりたいこの病は、正直同情の余地も哀れむ価値もないと思う。

まず奥様が危篤状態の冒頭のシーンからわざと窓開けて泣き真似して下の階の人からケーキ貰っててキモいし、奥様が回復後ケーキが貰えなくなってわざわざ家に突撃し「ケーキはまだか?」と催促するシーンもヤバいし、飼い犬を海に…のシーンで殺意を覚えるし、そのあと父親の家に行き「パパ〜、僕を憐んでっ!」ってのもムリすぎた。

結局イッヌは無事だったが、この手の作品で犬飼ってるとロクな展開にならないこと多くない?犬をグロ展開要員として搾取するのはやめてくれ。

何にせよ良い年して承認欲求が強過ぎるのは本当にキモいことだなと思いました。
自分で自分を喜ばせられる自立した人間でありたいね。

画角や音楽の使い方は面白かった。
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