Taketo

ラストナイト・イン・ソーホーのTaketoのレビュー・感想・評価

-
 エドガー・ライト監督ファンとしては、現代らしい真面目なテーマの作品を今回扱っていることが意外だった。
 男性によって抑圧されてきた女性の歴史がテーマにあると思う。ホラー映画の形式をとりつつ亡霊に怯えるエロイーズの姿が性的被害に合い男性を恐れているようにも見えてとても良かった。
 物語の途中ジョンがエロイーズの事を「エル」と呼ぶシーンがあるが「ELLE」はフランス語で彼女という意味なのでやはりエロイーズは今作の中で女性の代表というポジションなのかなと思った。とは言え、作品の中で男性を悪者にしたいわけでもないから、ジョンは常にエロイーズの味方であまりにもイイ人過ぎる設定なのは少し気になった。
 過去の時間軸を伝えるために作品の中で「007/サンダーボール作戦」の看板を出しているが、今年公開した「007/ノータイムトゥーダイ」とメタ的に対比しているのが印象的だった。
 
 部屋の色が赤や青に変わるのは「サスペリア」街のネオンを受けて色づく部屋は「めまい」白いジャケットを着るのは「殺しのドレス」サンディが錯乱するシーンは「キャリー」ナイフを振り上げる感じは「サイコ」ダンスシーンは「パルプフィクション」などなど、あいかわらずエドガー・ライトらしいオマージュもあり、とても面白かった。
Taketo

Taketo