N

ラストナイト・イン・ソーホーのNのレビュー・感想・評価

4.6
初めての感覚を得るホラーだった。
オープニング、ホラージャンルの映画を観ていることを忘れる爽快さ(しかもエドガーライトっぽいアップテンポ)。あんなにも惹き込まれるオープニングから本編ずっとずっと釘付けだった。
エンターテイメント性が高い映像や音楽に相反して内容は至極冷静かつ残酷。

ネトフリ呪怨が配信された時、ホラーとミソジニーの関連性の文章を読んで、なるほどって思いモヤモヤしていた気持ちをこの作品がそっと救ってくれた感じがある。
個人的にはラストもすごく嬉しかった。彼女がしっかりとイヤだ!と言ってくれた時、泣いてしまったな。

憧れの時代とかカルチャーとかってきっと誰にでもあるし、そういうものに思いを馳せることも素敵なことだけど、現代よりその時代の方が良かったと言いきるにはその当時の時代背景やその時代の犠牲になった人々にももっと思いを馳せなければとも思う。

シェイプオブウォーターのインタビューで監督が、今トランプ(当時大統領)が戻したいと言っている時代は一見華やかに見えて差別や暗い部分がたくさんあった。と言っていたのを思い出した。
ホラーと一括りにするにはかなり受け止めるものが多い作品だし、観る人観る人感想も違いそうだったけど、結局やっぱり映像と音楽はピカイチで良かったよエドガーライト!
鏡の使い方秀逸で観ながらニヤニヤした。見せ場として撮ってるって感じ、クラブでの流れるような演出がとても綺麗だった。
これビジュアルに騙されたのか結構男女で観にきてる人達が多くてびっくりしたんだけど(私の後ろの席の男女多分まだ数回目デートって感じだった)結構気まずいと言うか、どういう感想抱くんだろう。意外と万人ウケはしない作品な気がする。(まぁ何観ようが勝手ですが)
N

N