エイコ

ラストナイト・イン・ソーホーのエイコのレビュー・感想・評価

4.1
すごく悲しい話だけれど、大好きな映画だった。

1960年代のソーホー。
自信と輝きに満ちた彼女の、胸の高鳴りが聞こえてくるかのような、キラキラしていて夢しかないような世界。
そこからの彼女の絶望や挫折感は、あまりにもリアルで他人事には思えなかった。状況は違えど、挫折した経験がある人にはわかるあの感覚。

彼女は男性優位社会での犠牲者。
現代でもまだ、性搾取は女性にも非があると言われてしまうけれど、彼女が「私はそれを望んでいない!」とはっきり言ったのは、胸のすく思いがした。

こんな辛い話の上、60年代も現代も最低な人間ばかりでマイナスが多いのに、サスペンスとしての面白さ、街の美しさ、60年代のあの子と現代のあの子のリンクの仕方が圧巻で、映画としての楽しさが詰まりすぎていて、最高だった!
何度も観返したい作品。
エイコ

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