すいかのたね

ラストナイト・イン・ソーホーのすいかのたねのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

主演二人、特にアニャ・テイラー=ジョイが良かったと思いますが…結局この話は何がしたかったのか、何が解決したのか分からないまま終わってしまった印象です。

お話し部分
主人公エリーは霊感アリ的なキャラ、宿泊先で何かの情念でも感じたのか、1960年代の女性サンディの記憶とシンクロ、華やかな60年代を駆け抜けることで現実の自分の変革にも繋がっていく…かと思いきや現実は60年代でも過酷、舞台に立つ裏で各種接待を強要されるサンディとシンクロしてしまい、現実のエリーも不安定になっていく…。
この部分の話自体は結構面白くて、過酷な現実に晒されるサンディの顛末がどうなるのか気になり画面にくぎ付けになりました。
ただ一応のどんでん返しはあるにせよ、主軸の話は何んとなーく察する範囲の話であり、核心が明かされてもナルホド感は薄い…しかも「過酷な現実で、色々壊れたサンディの心は結局救われることなく死亡してしまう」し、結局主人公エリーも「この話を経てどう成長したか分かりづらい」というのが非常に引っかかりました。
ミステリー部分は正直パッとしない、悲哀の物語としては何か薄い、成長譚としてもよく分からないというところでお話は正直イマイチだったと思います。
ホラー部分は怖くはないけど驚かせ方が効果音とカメラ移動で唐突に映す手法なので、まあびっくりはしました。

キャラクター部分
何と言ってもアニャ・テイラー=ジョイが良い…めっちゃスタイル良いし、華やかなキャラクターが非常に合っていました…まあ華やかなのは最初だけで一気にキツいことになるのですが…。そういう状態になっても一定の気丈さを感じさせつつ、やさぐれ感もある演技はとても良かったです。
エリーを演じるトーマシン・マッケンジーも中々良い、驚きや恐怖を感じる演技、若干壊れかける演技も良かったと思います。

演出・映像
あんまり「~年代」とか詳しくないのですが、特に序盤の画面の華やかさは中々でした。ホラー部分についても「沢山出てくる幽霊に顔が無い」というのは中々不気味で良かったと思います…結構頻繁に出てきたのに不気味さは最後まで消えなかったです…でも話明かされるとお前らが助けを求めてたんかい感も正直出ました。

主人公2人のキャラクターに魅力は感じましたが、正直お話が引っかかり…総合評価としては、普通より若干良い程度に落ち着いてしまいました。
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