これはエドガー・ライトの最高峰では…!
スコット・ピルグリムとかHOT FUZZとか撮った人やんな〜。
まあ、その時もセンスあるなと思ってたけど、そこからちゃんと引き算もしてw、彼がもつセンスを本領発揮させた感じ!
ほんま巧みで匠やった。
映像美、色彩感覚はもちろんのこと、
さすがの音楽の選曲。
そして、007にまつわる俳優をキャストにするなど粋なところも。
ホラースリラーだけど、どこか物悲しさも。
ホラーホラーしているというより、生きている人間の念の恐ろしさって感じ。
怨念…。
日本の作品も通じるものあるよな〜。
ファッションデザイナーを夢見て、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、寮生活になじめず、とある老婦人のアパートで一人暮らしを始める。
ある時、夢の中できらびやかな1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ)に出会い、その姿に魅了されたエロイーズは、夜ごと夢の中でサンディを追いかけるようになるーーー。
女性が主人公というのは、エドガー・ライトとしては初めてだとか。
監督自身はイケメンだけど、主人公はいつもモテなさそうなオタクナード男性のイメージが。
でも、エロイーズも一応オタクナードめやしな。見た目メチャクチャ可愛いけど笑。
エロイーズがみる夢の中の華やかな1960年代の演出がとても素敵やった。
鏡の使い方がうまい!
そして、エロイーズとサンディが入れ替わるダンスシーンがめちゃくちゃカッコよくて綺麗。
サンディの衣装も綺麗や〜。
ジャックと出逢い、恋に落ち、ジャックとともに歌手を目指すも途中から、あれおかしいな、という。
今も昔も変わらない芸能界あるあるなのかもしれないけど、結局ジャックはサンディをスターにするつもりとかなくて、色恋営業で支配して売春させていたっていう。
…性的搾取の問題も踏まえてるのかな。
で、その夢を見るエロイーズは、サンディの苦悩に呼応して段々と亡霊を感じるのが強くなって錯乱していく。
このトーマシン・マッケンジーうまかった。
顔がどんどん変わる変わる。
彼女、元々美人だし、しっかりした顔立ちなんやけど、主張するタイプの顔ではないので、メイクや表情でドンドン変わるし、その変わりようが大きかったので良かった。
これからも期待の女優さんやな〜。
サンディ役のアニヤ・テイラー=ジョイ。
ごっつ華やか!強い!!
魅惑的すぎる。
サンディの苦悩の様子も伝わる。
うわ〜辛い可哀想って思ってたけど、そりゃアニャ様のことだもの、ただでは終わらんよな。。
でも、悲しいのは変わらない。
ジャック役のマット・スミス。
モービウスで先に知ったんだけど、この役も似合ってたな。。申し訳ないけど難あり男性が上手い笑。
今回も光ってたなー。
エロイーズを支えるジョン、めちゃ好青年。
ええやつすぎる。ナイスガイじゃん。
でも、最近、こういう位置に黒人男性多い気がする。
エロイーズが住むアパートの大家さんにダイアナ・リグ。
エロイーズが働くパブの常連の謎の男性にテレンス・スタンプ。
2人の正体は、予想は出来たけど改めて解明するとオオッとなった。
エロイーズが感じ取っていた怨霊は、サンディのものだけではなくサンディが殺めた男性たちのもの。
しかし、ようあんだけやって最後までバレへんかったな。
特にジャックに。
今作は映像的な巧みさもやけど、ミスリードをうまく使ってるところも巧みやなと。
脚本も上手いのかな〜と。
物悲しさがあるホラー映画。
どの街にも、誰かの悲しい辛い記憶が、誰かの後悔が、残っているのかな〜。
そして、今みんなが憧れる華やかな街は、夢の搾取などの犠牲も栄養分となっているのかな〜。ううむ。
余韻もあるところもよかったし、ラストの鏡での対面が良かったな。