このレビューはネタバレを含みます
週末の夜、WOWOWで放送されてたのを視聴。
この映画のシナリオには芸の細かいミスリードが無数に張り巡らされていて、
冒頭から当たり前のように姿見に死んだ母親の姿が映ってるのを見て
エリーはシャマランのアレと同じで死んだ人の霊が見える設定だと
思い込まされたところから始まって、最後のネタばらしまで決定的シーンを見せない
後出しジャンケン的なアンフェアなシナリオですが、
ミステリーではなく、オカルトスリラーということで許されてるのでしょうか。
60年代のソーホーのクラブに入っていくシーンで
エリーは駆け出しの歌手サンディーと知り合い、
時としてサンディーと入れ替わりながらも、
あくまでもエリーはサンディーを傍らで見守るポジションで
ビジョンの中でもエリーが完全にサンディーに入れ替わらないのは映像的に見づらく、
シーンへの没入感を削ぐので下手な演出で
キャストの容姿や演技性の違いによるものだと思ってましたが、
おそらく入れ替われない理由があったのです。
サンディーがジャックにベッドで襲われるシーンで
ナイフでジャックの頬を切るシーンでも一瞬あれっと思いましたが、
あれも一つの伏線だったし、
図書館で60年代後半にソーホーでおきた殺人事件を調べてたら、
中年男性の亡霊が多数出てきたのも観てる時は理由がわからなかったが、
後から考えるとあれも伏線でしたね。
あれだけ殺してたら警察に逮捕されそうなものですが、
女性刑事のせいでエリーは殺されそうになるし、
イギリスの警察も無能なんでしょうか。
リンジーにいたってはうすうす犯人に気づいてたのに見逃してた疑いさえあります。
髪をブロンドに染めた途端にそれまで全く無関心だったエリーに
注意を向けるようになったのも、最後ああいうことになったのも
全く無関係だったとは思えません。
少しアンフェアな点があったとはいえ、よく練られたシナリオで下手なコントみたいな最近のシャマランの映画に較べたら遥かに完成度は高いと思います。
主演のトーマシン・マッケンジーは美人で生真面目でピュアな感じの女優さんなので
日本人好みだと思います。
これからもホラーやサスペンスで活躍するだろうと思います。