ひでG

アザーズのひでGのレビュー・感想・評価

アザーズ(2001年製作の映画)
4.1

観てたけど、書いてない、書けてない映画を再見シリーズ⑤

2001年公開。
公開後、レンタルDVDを自宅で妻と鑑賞。だから、20年くらい前になるのかな、、
長男がまだ小さかったので、映画館が遠くなってきた頃の作品。

「ニコール・キッドマンがキレイ!」  
「ラストのインパクト強烈!」の印象だ怪我残り、その他の展開などかなり忘れていた。

この作品のテーマでもある「もう一つの世界」
この歳になると、現実と過去が直線で繋がらない感覚が出てくるが、記憶って薄れていくんですね💦 
こんな良くできた映画なのに、ほとんど忘れているなんてね、、

アマゾンのジャンル分けでは、「サスペンス」「ホラー」となっている。

ホラー映画です。
私の家に誰かが居る。「それがいる家」

YouTubeなどで、「アマプラで観られる衝撃ラスト映画特集!」に必ず入るだろう、
完全ネタバレ厳禁作品なので、まとまったレビューが書き難いので、項目に分けて、断片的な感想を書くことにします。

(1)ニコール・キッドマン

今更、キレイだなんて当たり前過ぎる感想だけど、本作は、「ニコール・キッドマン史上一番綺麗な映画!」なんじゃないかな。
とにかく美しい!
殆ど笑顔を見せないけど、
怯える、怒る、立ち向かう、疑う、どんなシュチュエーションでも、感情でも、美しい!
その中でも子どもを守る母の姿は、それだけでもう芸術品の演技でした!

(2)ホラーの鍵・カーテン・光

光が当たると生きていけない子どもたちのため、お屋敷はいつもカーテンを閉じている。
微かに差し込む外や電灯、暖炉の光、何が見えて、何が見えていないのか、
ホラーとしてだけでなく、もっと広い解釈もできる素晴らしいアイテム。

その他にも各部屋にかけられている鍵。
鍵をかけることで、外と内、生と死、
認識と想像、いろんなものを隔てている。
鍵をかけて入ったのが、部屋の中なのか、あるいは逆に外なのか、
大部分が屋敷の中、この屋敷の美術、視点を微妙に替えていくショット、一級品です!

(3)アレサンドロ・アメナーバル監督

未見だけどずっと気になっていた「オープンアイズ」は、アイデンティティの喪失を描いているとのこと。
安楽死をテーマにして、精神と肉体の二つの世界を行き来する男を描いた「海を飛ぶ夢」
を監督したアレサンドロ・アメナーバル。
本作以降、数本しか撮っていないが、今まだ現役なんだろうか。
とてもお力のある監督さんだと思うので、別作品も鑑賞したい。

(4)ホラーを超えて
子どもたちを守りたい一心で、カーテンを閉ざし、外の世界をシャットアウトしていくこの母親は、最近話題にあがっている「カルト宗教」での親子関係をも想起させる。

また、本当に見えてる世界だけが私たちの世界なんだろうか、という、この監督さんがずっとこだわっていたテーマが、ここでは、
上手に濃縮され、ホラーというかたちで見せてくれる。

サスペンスとしても一級品だが、ニコール・キッドマンの力演もあり、ラストは何とも
哀しく、切ない終わり方になっている。

ホラーを超えた名作だと思います。

ネタバレなしで書き切りました!😃
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