ちゃそ

アザーズのちゃそのネタバレレビュー・内容・結末

アザーズ(2001年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

2人の子供と孤島の大きな館で暮らすグレース。新たな使用人3人が訪れた日を境に奇妙な現象が起こるようになる。娘曰く「他の人がいる」と。徐々にグレースもそこにいる「死者」の存在を信じるようになり、物語は急展開を迎える。生きる者と死者の境界が徐々に曖昧になり、ついには混ざり合う。物語の終盤では観る者を欺く展開となる。

少ない登場人物、限定された舞台の中で、光を極力抑えた暗闇の中で展開される。これがまた物語全体に大きな深みを与えているように思う。暗闇の中では私たちは物をはっきりと見ることができない。しかし、徐々に慣れていくことで、辺りを把握できるようになる。カーテンが取り去られることは、隠されていた秘密が明らかになる隠喩でもあろう。

シックスセンスを観たことがあれば、中盤くらいから小出しにされる伏線に気付き、タネがわかるだろう。しかし、分かっていたとしても登場人物の表情や仕草、織りなす展開に心を奪われる。

冒頭から繰り返される聖書の朗読のシーンは、家族が今置かれている状況(=神のご加護を乞う立場)と、これから歩む状況(=強い信仰心から生まれる館から離れないという強固な意志)を暗示する。いつの日かグレースの言う「天国」に行けるといいのだが…
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