鍋レモン

アザーズの鍋レモンのレビュー・感想・評価

アザーズ(2001年製作の映画)
3.9
⚪概要とあらすじ
アメナーバル監督が、トム・クルーズからオファーがあった自作「オープン・ユア・アイズ」のリメイクを断って撮ったのが本作(ちなみにリメイクはキャメロン・クロウが監督して「バニラ・スカイ」になった)。撮影はビクトル・エリセ監督の「マルメロの陽光」のハビエル・アギーレサロベ。美術は「エイリアン」以来「グラディエーター」までリドリー・スコット監督との仕事が多いベンジャミン・フェルナンデスが担当。

1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島のジャージー島。グレースは、この島に建つ広大な屋敷に娘アンと息子ニコラスと3人だけで暮らしていた。夫は戦地に向かったまま未だ戻らず、今までいた使用人たちもつい最近突然いなくなってしまった。屋敷は光アレルギーの子どもたちを守るため昼間でも分厚いカーテンを閉め切り薄暗い。そこへある日、使用人になりたいという3人の訪問者が現れる。使用人の募集をしていたグレースはさっそく彼らを雇い入れるが、それ以来屋敷では奇妙な現象が次々と起こりグレースを悩ませ始める……。

⚪キャッチコピーとセリフ
“その“存在(アザーズ)”が見えた時、全てが変わる”

「弱虫 毛虫 意気地なし」

⚪感想
サスペンスホラー作品。

ネタバレ厳禁。

製作総指揮にトム・クルーズ。

記憶にないけど子供の時に親と観ていて既に結末は知っていたけれどそれを知った上でもかなり楽しめた。

登場人物も少なく、物語もほぼ屋敷のみで語られる。
それでも飽きさせず常に「どうなるんだ?」「なんなんだ?」と観られそう。

子供たちが日光アレルギーのためほぼ暗闇での物語。物語の序盤に3人の使用人が現れ、屋敷には謎の侵入者が現れるという。

ニコール・キッドマンの美しさが異次元。
役どころはかなりやばめな母親だが。怒った時が本当に怖い。

キリスト教関係が濃いめ。

ほんのり私の好きなスティーブン・キングやM・ナイト・シャマランの作風と似た雰囲気を感じられて良かった。

死後故人をまるで生きているかのように見せかけて記念撮影をする「遺体記念写真(ポストモーテム・フォトグラフィー)」が興味深い。
調べたところ実際は生きている人を撮ったものか多いとか。




⚪以下ネタバレ



設定としてはややふわふわしているけど、生者と死者が互いに重なるように過ごしているというのが面白い。生者の行動が死者の世界に影響を及ぼす時もあれば、そうでも無い時もあるし、逆も然り。
部屋のドアやピアノ、カーテンなど。

グレースの夫チャールズがやや蛇足に思えたが、チャールズはチャールズで戦争で亡くなってさ迷っていた最中だろうか。
終始心ここに在らず表情が切なかった。
お互いに幽霊だったと判明した今は再び帰ってくるという希望があっても良さそう。

地縛霊だからかグレースは霧の中からは進めなかった。

生きていた世界でグレースは戦争に行ってしまったチャールズ、日光アレルギーを抱えた子供2人の子育てとストレスを抱えてたのか。ある日耐えられなくなって枕で窒息死させ自分も銃でと。
子供たちの荒い呼吸やグレースの偏頭痛はそこへの伏線だったのかな。
ラストでは幽霊になったがゆえ日光を浴びれるように。

ホラー作品ではあるものの怖い正体が生きてる人間で、自分自身がお化けだったというなんとも切ない展開。

お墓を隠す、「気味が悪い」「カーテンをとってしまおう」という声、ビクターと細かな伏線が面白かった。

ラストで“アザーズ”の立場が逆転するのが良い。

⚪以下ストーリー(Wikipediaから引用)
第二次世界大戦の終結直後のチャネル諸島ジャージー島が舞台。グレースは色素性乾皮症を患う娘アンと息子ニコラスの3人きりで、広大な屋敷で暮らしていた。夫は出征したまま帰ってこず、使用人もおらず、不安な日々を送る家族の元に、新しい3人の使用人が現れる。それを境に、屋敷で不可解な現象が次々と起き始めた。

グレースの子供たちは日光が害になるために、厚いカーテンを閉め、ランプの灯りで生活していた。子供たちを安全に、信心深く育てるために、全精力を注ぐグレース。だが、誰もいない階上からの物音や、見知らぬ子供の泣き声がグレースを混乱させた。男の子とその親たちが、この屋敷に入り込んだと話すアン。

お清めを頼むために、神父を呼びに行くグレース。しかし、深い霧に遮られて村には辿り着けなかった。霧の中で夫のチャールズと出会い、屋敷に連れ帰るグレース。だが、チャールズは忽然と姿を消してしまった。3人の使用人も、50年も前にこの屋敷で死んでいたことを知るグレース。

3人の使用人は、この屋敷の秘密を知っていた。かつてこの屋敷では、母親が我が子を殺し、自殺する事件が起きたのだ。屋敷の中では生者と死者が折り重なるように暮らしているのだった。「互いに気づくことも、気づかないこともある」と、グレースに教える使用人たち。

見えなかった侵入者の家族を屋敷から追い出すことに成功するグレース。何が起ころうと、この屋敷はグレース親子の家なのだった。

⚪鑑賞
午後のロードショーで鑑賞。
鍋レモン

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