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アザーズのyoukiのレビュー・感想・評価

アザーズ(2001年製作の映画)
4.0
この作品はアメリカとスペインとフランスが共同で作ったられた、英語が使われているホラー映画。広大な屋敷に暮らす一組の母子家庭とその使用人が不思議な体験をする話。よくハリウッドやフランスで作られる、グロ描写とビックリ演出で行ってこい系ホラーとは少し違った雰囲気を味わえる作品として、一部のホラー映画ファンから称賛されています。時代設定も1940年代と古く、終始気味の悪い画面が続くような作品です。

この映画の予告などを見ると、かなり怖いホラー映画であるかのように今作を宣伝しているが、この映画はそういう恐怖を味わうために観るような作品ではないのは確かです。一言でいうと、別にこの映画は怖くありません。なのでホラー映画に抵抗がある人でも、この作品は観れると思います。「死霊館シリーズ」や「IT」のようながんがん観客を恐怖のどん底に突き落とそうとする映画というよりかは、「シックス・センス」や「リング」などのようなじわじわくる怖さなどを味わうような映画です。

とにかく屋敷や周りの庭のセットデザインや登場人物たちが着ている衣装などは素晴らしかったです。屋敷の外見もミステリアスで美しかったです。いかにも、不気味な洋館で暮らすひと昔前のお金持ちの一家という感じで、役者たちの演技も素晴らしいものです。照明も暗いシーンが多いながらも、とても観やすくて、映画のベースとなる部分は凄く作りこまれていました。

主演はハリウッドの女優の中でも、アン・ハサウェイやシャーリーズ・セロンと並ぶくらい、人気で実力のあるニコール・キッドマンです。彼の演技はとても自然で演技をしているように見えませんでした。孤独を感じながらも頑張って子供を養おうとする地味な母親という役柄が合っていたのでしょう。この映画では、登場キャラクターの数が他の映画と比べてかなり少ないので、その分彼女の出ているシーンは凄く際立っています。

このように、ストーリーが弱いと感じる人も多々いますが、凝りに凝った舞台設定と身近にある恐怖を描いたシナリオは称賛されるべきものだと、私は感じています。あまり有名な作品ではありませんが、ホラー好きなら一度はチェックしておきたい作品です。
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