みかん

モービウスのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

モービウス(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

本編だけでなく、ポストクレジット&エンドクレジットのネタバレもがっつりしてるので、閲覧注意です!

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うーん。。。
悪くはなかったし、見てよかったなとは思ったんですが、いまいち盛り上がりに欠ける作品かなと。

アンチヒーローの誕生を描く、ヴェノムよりシリアスな物語。
同じ力を得た二人の、力を呪いと嘆くマイケルと、力は授かり物と新しい自分を愛するマイロの、相反する感情の対比はすごくよかった。
同じ境遇で育った二人はどちらの感情も理解できるだろうし、お互いの想いも分かる。
ただ、凶悪すぎる力に呑まれて人を傷付けることを良しとするかが分かれ目で、人を救いたいと、自分よりも他者を思いやる気持ちがマイケルにはあったのが救いでした。
ジャレッド・レトーはすごくよかった!


ここからは愚痴が多め。
スローモーションを多様するアクションシーンは、シャン・チーのときも思いましたが凄そうに見えないし、さらにオーラをまとったような演出がラストは過剰すぎて何やってるかよく分からなかった。。。
あと、身体能力が向上するのはまだわかるけど、生身で滑空するのはありなんかな。
人間は物理的に飛べないと思うけど。
ここが一番、え。ってなった。うーん。

ラスト、二本用意していた毒は、一本は悪に呑まれた親友を止めるため。
もう一本は、自分の凶悪な力を終わらせるためと覚悟を決めたと思いきや、打たずに終わってしまった。
マイケルの覚悟とは何だったのか。
何を決意して生きることを選んだのか、ここを曖昧にされたのはかなり気になりました。
親友を巻き込んだ悲劇から、何を思ったのか。
ここをきちんと描くことは、アンチヒーローとしての生き方を確立するために大事なことだと思うんですが、描かれなかったことにもやもやしてしまいました。

さらに、エンドクレジット。
あのシーンだけだと深堀りも難しいけど、マルチバース展開への喜びより気になることが多すぎたなと。
ヴァルチャーの登場は取って付けたような印象で、何で彼がマルチバースを経由してきたのかよく分からないし、別世界に来たことを受け入れるのも早すぎん?
ホームカミングではスパイダーマンを認めるような終わりかただったのに、スパイダーマンと敵対する(そう決まったわけじゃないけど)メンバーを集めてるんか?
それともMCUの世界軸とは別の世界から来たのか??
そもそも、ヴァルチャーの装備ってアベンジャーズのニューヨーク決戦での宇宙技術残骸を応用して作ってたと思ったんだけど、モービウスのいる世界にアベンジャーズやスパイダーマンはいないんじゃないっけ?あれあれ??
どういうことなんだろう。。。
モービウスも、スパイダーマンと何も繋がりないのにヴァルチャーの誘いに乗る違和感も半端ない。。。
シニスター・シックスを結成してSSUを展開させていきたいのは分かるんですが、いかんせんそれが先行してキャラクターが置いていかれている印象でした。
MCUのアベンジャーズ結成は、地球外からの驚異に対抗する力を集めたいニック・フューリーの目的から矛盾してなくてスムーズに受け入れられたけど、ヴァルチャーの目的は?
彼はスパイダーマンを倒すために人を頼るような男だったか?
これから描かれていくのかもしれないですが、今のところこういう小さな矛盾が重なって、キャラクター性に違和感が生じちゃってるなと思わずにはいられなかった。

ぐちぐち書いたけど、マーベルってだけで期待値上がっちゃうから、好きが故に色々言いたくなっちゃうのよね。

これからどうなっていくのか、今後に期待です。


余談ですが、マルチバース展開のなかで、別の世界の同じ人って設定で別の俳優で既存キャラクターを出すようなことはやめて欲しいなー。
顔や性別が違うのに同じ人って矛盾してるし、キャラクターに思い入れがあるほど嫌だなと思う。
ドラマのロキでも思いましたが、出生がちがうならもう別人だよね。シルヴィとか、ワニのロキとか。
マルチバースのここは理解できないところです。
NWHのスパイダーマン共演は、過去作との兼ね合いもあるから受け入れられたし楽しめたけど。
みかん

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