ヤスマサ

ナイル殺人事件のヤスマサのレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
3.7
70年代に製作されたアガサ・クリスティー原作の映画で、ナイル川を巡る豪華クルーズ船で起きた連続殺人事件を描くミステリーを、ケネス・ブラナー監督・主演で、前作からの続編としてリメイク。
前作同様、限られた空間での殺人事件で、容疑者は乗客全員、そして誰もにも動機がある。

モノクロの長回しの塹壕シーンから始まる過去を思い返したような場面は、ポワロのトレードマークともなっている大きなヒゲのエピソードであり、この映画のテーマが「愛」であることを示唆している。
前作のラストシーンで、ポワロはナイルでの仕事を依頼されているが、これが前作のすぐ後の事件となっているかよく分からない。
ナイルに来たのは、旧知の親友プーク(トム・ベイトマン)の恋愛相手ロザリー・オッタボーン(レティーシャ・ライト)を値踏みするようプークの母親から依頼されたため。
今回のストーリーには、恋愛が絡み合っているのだ。
大富豪リネット(ガル・ガドット)の結婚が事件への引き金となるが、かなり練られた殺害計画と、ちょっとした綻びに事件の真相の恐ろしさを感じる。
サロメ・オッタボーン(ソフィー・オコネドー)が歌うブルースは味があって魅力的だ。
ポワロも大分気に入ったようだが、エンディングで彼女の歌うロンドンのクラブに現れたポワロが、髭を剃っていたのは何故なのだろう。
次の作品への布石なのかと邪推してしまう。だとしても次を早く観たいと思わせる映画だ。
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