舞台はエジプト・ナイル川。新婚旅行中の夫婦、彼らの結婚に恨みを持つ女性などが同乗する豪華客船で殺人事件が発生。
同じく乗船していた名探偵ポワロが、乗客全員が容疑者となった事件の解決に挑む——。
アガサ・クリスティの『ナイルに死す』の映画化。
端的にまとめるなら、愛と金を巡る物語。
豪華客船という「密室」を舞台に、容疑者のアリバイを崩していく推理手法は、王道の古典ミステリーという印象を受ける。
ただ、その事件発生までが長い。前半１時間はエジプトの新婚旅行に同行したような気分。景色は堪能できるものの、何かが起きそうで起きない、肩透かしの連続だった。
その分、後半が慌ただしい。
多数の人物が登場することもあり、混乱した。事件解決の爽快感を味わう以前に、登場人物の処理に頭を使ってしまった。
本作では、ポワロが口ひげを生やしている理由も判明。
ただ、必要なエピソードだったのかは疑問。全体的に間延び感があったので、割愛しても良かったような気がする。
ケネス・ブラナー、ガル・ガドットという豪華キャストながら、個人的には刺さらなかった。
収穫があったとすれば、横恋慕する女性を演じたエマ・マッキーと出会ったこと。マーゴット・ロビーに似たルックスと確かな演技は、今後注目したい女優の１人となった。
