TaiRa

アーミー・オブ・ザ・デッドのTaiRaのレビュー・感想・評価

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『エンジェル ウォーズ』以来のオリジナル、って聞くとスゴいバカっぽくて良い。

ザック・スナイダーにこの手の娯楽作は期待してないので、案の定な結果でもあまり怒れない。それどころかテーマに関してはちょっと感動した。まずゾンビ版『戦略大作戦』として楽しめたかと言えば微妙。ほとんど同じ枠組みの『新感染半島』と比べると、良いとこも悪いとこも向こうの方が極端。こっちは薄味。ケイパー映画的なケレンも少ないし、キャラクターを立てるのも詰めが甘い。一人一人の役割が薄いし、関係性を築く描写が足りてない。重要な筈の金庫破り場面がサラっと流される。高度な知能を持ったリーダーと統率の取れたゾンビ軍団、っていうアイディアはもっと練って膨らませて欲しい。予算少ないのか?って感じるくらいこじんまりしちゃってる。CGのクオリティとか画面処理とかも何故か安く見える。遥かに予算少ない『ドーン・オブ・ザ・デッド』の方がリッチに感じた。メンバーが一人ずつ退場して行くタイプのジャンル映画は大好きなんだが、その一個一個にキレがない。ちょっとエモい演出入れ過ぎ。ただザック・スナイダーは一貫してエモい人なのでしょうがない。それにこの映画をザックが撮ろうとした事自体は肯定したい。彼にとっては、身内の不幸から立ち直る復帰作であり、正にその事が劇中の主人公に反映されている。君の為なら命も懸けると、父親が娘に伝えたかった想いを代弁するラストで少し感動した。
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