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主戦場のTAMUのレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
4.0
第七藝術劇場名物遅いエスカレーター。
ちょっと見たことないほどエスカレーター待ちが出来てて、開場時間ギリギリに到着。
大阪では公開初日、監督のQAもあったので、立ち見が埋まるほどの大盛況。

本作は慰安婦問題を巡る右派と左派それぞれの主張をリレー形式で繋げて、根本の問題を絞り込んでいくドキュメンタリー。

監督は日系人で上智大の院生の頃から、インタビューを撮り出したのだそう。
若いし、笑顔が爽やかで誠実そうなイケメソ。

この右にも左にも色付けされていない青年を見て、双方の論客共に教えてあげたいと思ったのでしょう。分かりやすい言葉で丁寧に穏やかに話すのが印象的。
(ナレーションの監督自体はめっちゃ早口と思いましたけど💦)

特に右派と称される陣営は個性的。おなじみ櫻井よしこ、杉田水脈、ケント・ギルバート、テキサスおじさん。更にテキサスおじさんのマネージャーの眉毛の細さとか、日本会議の加瀬英明さんの「他人が書いた本は読まない」論とか、キャラ立ち半端ない💦

監督の見事な編集のお陰で理屈を述べたタイミングで反論が挟まってくるなど、右派アベンジャーズ、左派ジャスティスリーグの理論対決エンタメの様相。

重いテーマでありながら、被害者にスポットを当てていないので、このタブーとされがちなテーマについて見た後でウェットにならず、誰かと意見を交わしたくなる。

そもそも右派の方々は親に売り飛ばされたり、韓国の業者がだまして連れてったから、日本に責任はない的なことを言うのだが。
果たして日本が併合していなかったら、そんなことは起きなかったんではないのだろうか。

ところで、本日、本作の今後の配給展開について質問が上がった際に熱弁されたのは監督ではなく、配給会社「東風」さん。
テーマがテーマだけに慎重にことを進める旨の熱意のこもったご意見を示されておりました。
今、勢いある配給会社なので、更なる活躍を期待しちゃいます!
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