木葉

主戦場の木葉のレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
4.0

日本がヤバすぎて、背中がゾゾゾっとする。
日本の負の歴史を掘り返し、日韓関係の根深い溝の真の原因を考えさせ、私たちも戦場に立つ覚悟でスクーリンと向き合う意識で観れるから凄いんです、本当に。
GW前から知っててスルーしていたが通り過ぎず観て良かった。
立ち見が出るのも頷ける。
慰安婦問題について、右派左派リベラルの意見を客観的目線での切り口が斬新で面白い。
情報量がとてつもなく多いから、集中力絶やさず観なきゃいけない映画だけど、
観た後、この国の歴史、今の政権、
過去の過ちも何もかも、そして今も、未来に繋がっていること、絶えず考えてしまう。
慰安婦について、なぜ安倍首相は教科書から消すことにしたのか、
1993年の河野談話もなぜ政権が否定しているのか、
日本がもみ消そうとしている負の歴史から、
人権侵害、フェミニズム、ジェンダーについて掘り下げて考える。
そして、問題の本質は、目の前にある都合のいい情報だけ見せて、負の歴史を抹消させた政権を支持している日本国民の無知、無関心さであるということに繋がってくる。
NHK、安倍首相、慰安婦問題、日本社会が地続きであること、
日本の過去の歴史から未来への指針を示されたら、危う過ぎて呆れてしまう今が本当に笑えない。
慰安婦問題をなかったことにするということはセカンドレイプに匹敵する。
ある人の言葉で、日本の首相が靖國神社を参拝するということは、大袈裟だが、ドイツの首相がヒトラーの墓地に赴くことと一緒だと言っていて、印象的だった。
過去から今、未来に繋がっていることを考えた時、今日本はもう笑えない現実に来ているが、
少なくとも一人でも多くの人がこの映画を知ること、見ること、疑うこと、考えること、想像力を働かせることが出来たら、
少しは未来への日本の救いになるのではないかと思う。
木葉

木葉