takanoひねもすのたり

幸福な囚人のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

幸福な囚人(2019年製作の映画)
3.0
不妊症をきっかけにうつ病になった妻を支える夫の澤田。医療系の会社で働いているが、海外企業から岸本という男が同僚として入社し、奇妙なカリスマ性がある彼に澤田は影響されてゆく……。

すげぇ職場だなおい。
「気が利かない」という理由で2時間の面談会議(というか吊し上げ)
二言目には効率化言うわりに無駄な時間を消費していることに自覚がない上司と先輩社員。
女性社員はゴシップを囁き合い、憶測まじりの噂話を垂れ流す、おいお前ら仕事しろ。

この監督の描く職場は3作品共にパワハラ常態の会社で(しかも医療系が共通)連続して観ると流石にまたこの会社もブラックか……そしてそのせいで主人公が追い詰められるという展開も同じなのでテンプレ化しているような。

今作の捻りはネタバレすると『ファイトクラブ』なんですが、認知の歪みによる幻覚が岸本とすると、入社の挨拶(朝礼時)昼食を共にとる(グラスがふたつ)等の彼等以外に周囲に人がいた状況の説明がそれだとおかしくなる。
細かいことは気にすんな!かも知れませんが。

毎度の人体解体シーンはあるけれど、置いてあるだけ、なのでグロに拘りがあるというより"バラバラに損壊された血まみれの肉体"だけが好きなだけなんじゃないかと……。
殺害シーンは暗転しちゃうし、フレーム外になったりするし。

でも3作品の中ではこの作品がまずまず好感でした。結果的にいつものように悲劇的な愛の純度に落とし込む男女関係はもういいよ……という感じではありましたが、あざとさが幾分減った気がする。

男のケツは写しても女性の胸は映さない、今作も鉄壁の着衣エロでした。
着衣エロも悪くないんですけど、この監督の場合は私はどうも萌えないんですよねぇ……笑
エロスが足りん。