まさわ

東京の女性のまさわのレビュー・感想・評価

東京の女性(1939年製作の映画)
4.0
働けない父親に代わって家計を支えるべく努力の末、車のセールスマンに転身しバリバリ稼ぐ、自立女性・原節子がとってもかっこいい!

男性同僚たちのセクハラ、姑息な嫌がらせや暴力にも負けずに車を売りまくる。
セールスマンになるノウハウを叩き込んでくれた立松晃に信頼と敬愛を抱いてたけど、男は自分より営業成績のよい女にドン引きして(小さい!)、原の妹と結婚してしまう。その二人が新婚旅行で乗り込んだ電車を複雑な心境で眺めながらも、車を運転してるうちに、まっ、今の暮らしも最高だよね!というような笑顔がラストシーン。

印象に残ったのは、つらいときに原節子の隣には事務職の同僚・水上怜子がいつもいてくれて、ブロマンス描写によくある「ひとつの火種を分けあって二人で煙草を吸う」シーンがあったこと。きゃーー!かっこいい!となりました。

ファッションもタイトスカートのスーツにネクタイ、小さな帽子をはすに被ったり、1939年当時の東京の街並みもモダンで、ここから「もんぺ」「焼け野原」になるまでたった数年かあ……。

あと、国立映画アーカイブの客層が圧倒的に高齢男性が多いから仕方ないとはいえ、本編のセクハラシーンや女性をバカにしてるシーンが「ユーモア」と解釈され、笑い声がおきるのにイヤになった。彼らの青春時代の感覚ではそりゃ「ユーモア」かもしれないが。本編の男性同僚の嫌がらせとか、80年後の今でもなんにもかわらない、進歩してないわ!
まさわ

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