ネノメタル

最強殺し屋伝説国岡 完全版のネノメタルのレビュー・感想・評価

4.3
【最強殺し屋伝説国岡】 
ここに阪元裕吾監督作品の核(コア)がある

阪元作品で個人的にツボだと思ってる点は、たとえ(これまで個人的に観てきた作品群で言うと、殺人業を生業とした女子高生であるとか、人が人を殺し合う決まりになっている恐怖の村であったりとか、かなりぶっ飛んだ設定だろうと表現上のリアリティを突き詰める上で一切の妥協が皆無な点である。
かといって伏線が貼られたように見せかけてあっさりとそれが死んでしまったりとかの肩透かしも容赦ない。その意味でリアリティーを突き詰めるある種の残酷さといった意味においては(作風は違うんだけれども)岩井俊二監督のダークサイドの作品群などを彷彿とさせるし、また彼の中にしかないある独特の世界観を享受することができる。

その意味で、監督自らが声として参加しつつドキュメンタリー映画を撮るといった設定元に、ある1人の殺し屋として淡々とミッションをこなしつつも、時に1人の男として生活したり、ご飯食ったり、デートしたり、友人と飲みに行ったり、先輩に絡まれたり、笑いながらも苦しみながらも国岡昌幸のライフスタイルを追う本作を観進めて連れて「実際そこで起こっている事件」として徐々に馴染んでくる。

因みに某シーンが余りにぶっ飛び過ぎて凄すぎて笑死してしまった。もちろんそこに笑などはない。あまりにも凄すぎて「これ嘘でしょう?????」と言う驚きの入った笑いである。
それでも多分伝わってないなぁ。
あれはほんとにホントにスゴかった。

ちなみに舞台挨拶の時にこの映画を最前で見に行くと監督に伝えたら「真ん前は人によってはかなり酔いますよ。」との事だった。
私自身そういう事はなかったが結構画面が揺れるかもしれないのですぐ酔ってしまう人は真ん中辺りで観るように気をつけたほうがいいかもしれない。
それだけ現場感が強い映像という事なんけれども。

『ベイビーわるきゅーれ』
『ある用務員』『黄龍の村』に繋がる原風景って感じもしたし、全ての要素も感じたしこれはきっと
阪元裕吾監督作品の核(コア)なのだろう

そしてそして本作品にも、上で述べてきた他の作品群全てにも言えるんだけれどもビタ一文足りとも1台詞すらツイートすると立派なネタバレで村の決まりで厳禁だから全日本人1億2580人、全員観てくれ笑!

そうすりゃもう話が早いから笑
きっと世界は変わるだろう。
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