かえるま

100日間のシンプルライフのかえるまのレビュー・感想・評価

100日間のシンプルライフ(2018年製作の映画)
3.0
終盤ダレるが、結構面白い。人間ドラマとして、満足感ある。
少しずつ所持品を取り戻しつつ「絞り込んだモノで工夫して生活する」というシーンを期待したが、途中から所持品取り戻す話はどっかいって恋愛・家族愛の話になった。
これはこれでアリだが、やはり生活シーンはもう少し欲しかったな。

本作のコメディ要素は、予告にもある裸でオッさんが走り回るパートだけで、他に笑えるところはない。
というか、やたら主人公2人のヌードシーンが多い。女性向けサービスシーンかね。一応ヒロインのヌードシーンもあるけど。

ドイツには、「グッバイ、レーニン」に見られるような、東ドイツ時代を懐かしむ「オスタルギー」という感情があると聞くが、本作もその枠に入るのかもしれない。
主人公2人を東ドイツ出身。何も持たない主人公たちが、資本主義の中で富豪になり、そしてまた全てを失う。しかしその結果、むしろ心は平穏になっていく。
「所有という概念がない旧東ドイツ的な価値観」と「モノが溢れる西ドイツ的な価値観」を対比して、「壁崩壊以前もみんな心は平穏だったよ」と言っているようにも解釈できるね。

なお、資本主義の象徴として「世界中のスマホ7億台に影響力を持つアメリカのザッカーマン」という悪辣なビジネスマンが出てくる。
明らかにFacebookのザッカーバーグがモデルだが、悪辣に描き過ぎじゃない?
FB社は1,400万ユーロ程度ケチらねーよ。日本円でたった17億だし。そもそもこの金額設定が安すぎるね。
かえるま

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