自分を手篭めにした男への復讐心を燃やしている未亡人（宇津宮雅代）が、類まれな行動力をもつカメラマン（三浦洋一）に、復讐行為の幇助を要請する。上流階級の道徳的腐敗を描いている、日活ロマンポルノ。ラクロの同名小説を新藤兼人が脚色している。
復讐相手の男と未亡人の姪（野平ゆき）が密かにカップリングされたことを受けて、カメラマンがふたりの仲を引き裂くために暗躍する。性的行為でガンガン責めていくハチャメチャ展開を期待してしまうが、実際は凡庸なサスペンス劇場に収まっている。
主役の宇津宮雅代と三浦洋一は、純情派からドロップアウト後のロマンポルノ進出であり、公開年に結婚している。また三浦洋一の不倫相手を片桐夕子が演じており、こちらも少女路線とは異なる、大人の色気を醸し出している。
申し訳程度の濡れ場しか用意されていないが、悪女の干渉により日常が掻き乱されていく感覚を楽しむことができる。なお、幼女のヌードが登場するため、再ソフト化は困難かと思われる（幼女の体にマスク処理する方法もあるが）。
