KnightsofOdessa

光と影のバラードのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

光と影のバラード(1974年製作の映画)
3.0
49位[珍しく陽気なロシア映画、或いは"ボルシチ・ウエスタン"] 60点

ミハルコフって当たり外れが極端に大きいというイメージがある(と言いつつ一本も見たことがない、ってとこまででワンセンテンスなんだけど)。特に「戦火のナージャ」「遙かなる勝利へ」についてはIMDb上で評価が4.1という大事故をおこしている。そんな監督見たことないよ。

ロシア革命からすぐのソ連。大飢饉のためブルジョワから没収した金品をモスクワに運ぶ列車を守るために選ばれた赤軍の軍人たちとそれを奪う白軍たちの物語。陰鬱なだけというロシア映画のイメージをぶっ壊すために作られた"ボルシチ・ウエスタン"であるが、登場人物すらあやふやなまま過去と現在(なのかすらも怪しいが)が必要以上に入り組んでいて見ているのが辛くなっていく。物語の進み方はこんな感じであるが、ふいに訪れるハリウッドウエスタンへの憧れが存外に美しい。エゴールが独りで草原に佇む姿とか惚れたわ。

でも、正直そこまで面白くはない。全てに拘っているようにみせて策に溺れている。男に惚れたいなら本場ハリウッドのウエスタンを見ればいいのであって、ハリウッドに惚れてるやつの映画見てもしょうがない。
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