LalaーMukuーMerry

ミッドサマーのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.8
このタイトルなのに寒そうな雪景色からはじまる。おや?と思ってタイトルをよく見るとつづりがおかしい Midsommar ??? こんな単語辞書にない。と思っていたら、スウェーデン語らしい。英訳するとmid summer、そのまんまでした(疑問もって損した)。
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スウェーデンに残るカルト的共同体、夏至の日に90年ごとに行われるという特別な祭り(ほんとか?そんなに間隔が空くと伝承もできないぞ!)に参加したアメリカ人の体験記。現代の社会システムに頼ることに馴れきって暮らしている人間には、古い共同体のしきたりの異様さに戸惑うばかり。理解できない怪しいものには恐怖が芽生えるもの・・・
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恐怖の悲鳴などは一切なく、画面はむしろ明るくきれいなのだけれど、みんな狂ってるよねぇ。集団狂気が気味悪くて嫌~な感じの映画でした。崖のシーンあたりから、不思議な祭りの意味や目的が分かってくると、終着点が想像できてくるのだが、なぜかそこまで見たくなる私はどうなんでしょう・・・?
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スウェーデンという国は、コロナ対策でも集団免疫の道をとるという独自路線を貫いている。その背景には、死生観が日本人とちょっと違うということがある。終末期に食事ができなくなって死ぬのは自然なことであり、経管栄養などによる延命治療は、高齢者への虐待だという意識が一般的らしい。だからスウェーデンでは延命治療はしない、寝たきり老人はいない。(あえて言えうなら、重症化した高齢の老人には高度な延命治療などせずに、静かに逝ってもらう。こうして高齢者医療費を抑えて社会の若い世代にお金を回す)
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こういうことと、この映画はひょっとして関係あるのかも・・・、いえいえそれは考えすぎでしょう。