みーちゃん

ミッドサマーのみーちゃんのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.9
めちゃくちゃ面白かった。いや、正確には、途中までは不気味さや、おぞましさの方が勝っていたのだが、ダンス大会の前あたりで判断軸があやふやになってきた。そして皆んなが一緒に泣き叫んでくれた時には一瞬引いたものの、やり続けるうちに、はっきりと気持ち良さに変わった。皆んな、ありがとう。次は、私が皆んなの痛みを自分事として引き受け、一緒に泣き叫ぶからね。と誓った。

それらの序章として、アッテストゥパンの有無を言わせぬ衝撃は見事だった。予想できたとは言え、あれを見せられたら黙るしかない。ショックで言葉が出ない、という意味もあるが、それだけじゃなく、サバイブするために、ここは騒ぎ立てず郷に従ったほうがいい。と観客も本能的に察する(だから、もう1人のクィーン候補の反応にあちゃーとなった)。

それにしても、マークとジョシュは、普通の学生に見えるから、なんの因果でこんな酷い目に?と感じたが、御供物になるまでの過程で、その姿形と扱われ方の変遷を何度も見せられるうちに、彼等のバックグラウンドはさておき、少なくとも、この村で犯した侮辱と大罪は、とても許されるものじゃあない。とまで感じるようになった。

ラストのダニーの選択。何かの仕返しや感情ではない。クィーンとして、トービヨンを選ぶ理由がないのだ。ここは本当に深い。クリスチャンすら、もはや受け入れているように見えた。

※本作をすすめてくれて、ありがとうございました。2回目以降は何が起きるか分かった上で落ち着いて観れるから楽しみです。