デッカード

ミッドサマーのデッカードのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.0
スウェーデンの奇祭に招かれたアメリカ人の大学生たち。

祭は常軌を逸しているが、迎える村人たちは祭にいっさい疑問を持っていなくてそれゆえに不気味。

こんな祭があるわけないだろうが、見知らぬヨーロッパの田舎ならもしかしたらありそうで怖い。

村人の行動はシュールな前衛劇を見ているよう。グロ描写もある因習の数々、村人のテンションと現実とのギャップに混乱させられる。

夏至で白夜の昼間が延々と続き、観ている側の体内時計もおかしくなる。

祭は姥捨、御神木、経典、繁殖、生け贄と人間の営みに対して実にシンプル。

精神安定剤を飲みながら現代社会を息苦しく生活していた主人公の女性ダニーが最後に村の生き方を選択するのは、人間の根源的欲求はそこにあるのかもとも考えさせられる。

何とも不思議で不穏な雰囲気の漂う奇妙な映画。
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