この作品が劇場公開されて観た時、なんとも言えない気持ちで劇場を後にしたのを覚えている。
今回、A24 絡みの作品をもう一度観直してみるかと思い立ち、観てみたのだが…。
やはり初めて観た時と同じ感情が湧いた。
最後のシーンの主人公ダニーの笑みは、たしかに、精神が狂ってしまってのことなのだろう。
それは、太古の昔から続く、狂気的な人身御供によって災害や飢餓・疫病などから御守りされることを祈る村特有の儀式を目の当たりにしてそうなってしまったのか。
それとも彼女に立て続けに起こる不幸な出来事、過酷な展開によってそうなってしまったのか。
「なぜ、こんなことが!?」
を、どう考えるかによって、印象が変わる作品だ。
… 少なくとも、気分が晴れやかにはならない、させる気もない映画。
しかしアリ・アスター監督の描く物語の変態性は、癖になる人は癖になると思う。