コントとホラーは紙一重だと思う。
アリ・アスター監督の恐怖には、「変」を限りなくリアルに描く不気味さがある。第三者の声(ツッコミ)がなく、淡々と進んでいくコントのような。ジョーダン・ピール監督にも似ている。
それでも目を外せないのは、画が美しいから。
監督が意識しているであろうキューブリック作品的なカメラワーク。シンメトリーな構図や、感情や文脈の意味がのった色使い等、徹底されて写された「完璧な画」には心地よさを感じる。
恐怖が目の前にありながら、美しいと感じる。その支離滅裂な感情が、気持ちいい絶望のようでクセになっちゃうんだろうな。