このレビューはネタバレを含みます
MYSTよりも後味の悪い作品など評判を過大に感じていただけで、究極に後味の悪い作品というわけでもなかった。
怖気の奔る儀式も美麗な映像とケルト音楽とが組み合わさって美しいようにも感じる
人の人生を季節になぞらえ、72歳で死を選ぶ(映画中では生まれ変わるように説明)ことになっているが、そんな儀式をよそ者が見りゃ憤慨するのも当然。
ここから不穏な感じになってくる。
べったりだったカップルの片割れが先に帰ってしまったなど。
だけど憤慨して逃げる気満々の人らを見てもサラリと対処するそのコミューンの暗部のような存在。
外からの連中はもともと逃がすつもりでなく犠牲にするために呼んでいるわけだったことが最後の最後でわかる。
そして、他の建物が比較的ボロボロなのに、あの神殿だけ妙に色鮮やかな理由が最後でわかる。
100名程度のコミューンだが、ああいうところに住んでいればそれが幸せなのだろうかとも思ったが、最後のそのコミューンから名乗り上げたおっさん2名が身を焼く炎は叫ばずにいられないんだから、あの熊焼きにされたやつとは違う薬をもられたんだろうと考える。
ただ、逃げずにただプッ座っていたのは、四肢は麻痺するが意識と痛みだけははっきりするような疋殺地蔵も真っ青な薬物でも練ってたのだろうか。
それともお役目全うするためにいとこが燃えて叫ぶ姿を見てもルンルンだったのか。
このとき周りが叫んで上手く残酷さをかき消していたけど。
そういう意味で残虐行為をきれいな映像と織り交ぜて、あまりに偏り過ぎないようにうまく表現したように思える。
ただ、一番怖いのがみんなを巻き込んだひげのあんちゃんだと思った。
優しい顔して近づいてきて励ましまくりだなんて、どの宗教でもやっている行為だよなぁと思った。
しかし、その伝道師のあんちゃんも「孤児を拾ってくれた素晴らしいコミュニティだ」みたいなことを言ってたのが薄らキモい。
両親が燃えて死んだっつーのは、このカルト村で主人公らみたいに釣られて捧げ物じゃあ!とか言いながら両親を燃やされたっつーことなんだろうから、そんな思いをしながら自分が今度は釣り舞台として暗躍しているかと思うと、あいつが悪いのかそれともこのカルト村がすごい洗脳の力を持っているのかどっちなんだろうかとは思った。
ただ、だからといって見張って美しい、話が斬新という感じでもなく、そんなに面白い映画ではなかった。
ところであの美を極めた少年のビョルン・アンドレセンが、あのお葬式(飛び降りるやつ)のあのおじいちゃんだったのね。。