オトナエ

ミッドサマーのオトナエのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.6
家族のいないダニーが、恋人や友人とスウェーデンの奥地で夏至(ミッドサマー)に行われる祝祭に参加する。初めは楽園のように思えたが、次第に不気味な風習を垣間見て、不安が妄想を呼び、祝祭に飲まれていくという話。

ひさしに再度視聴。
いわゆるカルトを題材としたサイコロジカルホラーですが、豊かな自然の映像美や明とも暗とも取れるストリングスの音色が心地よく物語を流していて、非常に世界に入り込みやすいです。

日本人にとってはサソリや虫を食べるのは気持ち悪いって思ったり、他国からみたら生の魚をそのまま食べるなんて頭おかしいって思ったり、そんな文化の違いが生み出す不協和音を美しく描いた作品です。(食べ物の好みのレベルではありませんが笑)
これもまた人間が生きる形の1つで、それをただ言葉で括ってしまうのはもったいなくもあるような気持ちにもなりました。

この集団は声に重きを置いているようで、性交渉時に周りが「声」で盛り上げていたり、泣き叫ぶダニーを「声」で誘導して落ち着かせたりするシーンが特に印象的でした。

ここの他の方のレビューもそうですが、好きな人は果てしなく好き、苦手な人は全く受け付けない、賛否はっきり分かれる映画だと思います。
感受性が豊かな方が集中して見すぎると尾を引きそうなので、心配な場合は日中に何かしながら見るくらいで丁度良いかもしれません。
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