これはなんて言ったらいいのか。怖い、グロい、気持ち悪いの3拍子揃った映画。
主人公のダニーが友人の故郷であるスウェーデンの奥地に同行するのですが、そこで待っていたのは独自の習慣、風習を持つカルト集団でした。
次はどうなるのかが常に気になり、長めの映画ですが長さを感じず、また退屈に感じる場面も全くなく、そういう意味では私には面白かったと言えるでしょう。
が、この映画が好きかと言えば好きではない。面白いけど好きではない、というねじれた感情を抱きました。
この映画の言いたかったこと、伝えたかったことはなんだったんでしょう？カルト集団の怖さ、地域の伝統や習慣、それらの伝承とかがテーマ？なんかちょっと違う気がします。そこまでのメッセージ性を感じませんでした。
だからと言って印象の薄い映画では決してなく、むしろインパクトはものすごい。スウェーデンの美しく平和的な村の風景をバックに描かかれる強烈にグロいシーン。全然共感できない風習や考え方。ダニーのラストの感情。どれも好きではない。
でも、この先もずっと頭に残りそうなシーンの数々。見た人に強烈なインパクトを残す。これこそが監督アリ・アスターの狙いなのかと思いました。
「面白いけど好きではない」なんて、そんな映画なかなかない。言い方を変えれば「好きではないのに面白い」。監督の勝利って感じですね。
