歩く肉

ミッドサマーの歩く肉のレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.0
精神的に不安定な女性がカルト村の祭祀に参加することによって、恋人への依存を断ち切り、内面的に自立する話かなと思っていたけど、かなり違っていた。おそらくこの映画は観た人によって受ける印象が違ってくるんだろうけど、わたしにとっては、共依存カップルの光と影の話だった。言うなれば、彼氏のほうには、ある種の裏主人公的なファンクションがあったし、花と熊の対比が印象的だった。
評判で聞いていたほど、グロくもなくホラーでもなく笑いもしなく、ただヒューマンビーイングを感じた。この映画は女性人気が高いらしいけど、それに関してはとても納得。精神的に不安定になったり、何かに寄りかかりたい時に、宗教やカルトに目醒めるのは、男性より女性のほうが割合的に多いよね。
だから、ラストはわたしには、ハッピーエンドには見えなかったな。彼女は根本的に精神依存を断ち切ったのではなく、新しい、「高次元」的な依存先を見つけただけでしかないように見えたから。
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