あまりホラー感はない。タイムスリップ×民俗学×恋愛。それがまぜこぜになっているというのが鑑賞した上での印象。
もちろん、タイムスリップしているわけじゃないんだけど、文化習俗の違いというレベルを乗り越えて宗教以前の時代にタイムスリップした、或いは異世界に飛ばされたという方が近いくらいに常識から逸脱した世界がスクリーンの中に広がっているので、あえてそう表現します。
なので極端な言い方をすると、普通の高校生が剣と魔法の世界に飛ばされちゃった的な世界観が見方としては近いかもしれない。あれも自分の身に降りかかったと考えると中々ホラーだと思う。普通に人間を火あぶりの刑とかにしそうだしね。
もちろん、あの火あぶり並みに強烈な祭り自体はフィクションだろうけど、あの世界観を構築するために様々な民話や伝承、祭礼について相当勉強したのではと思う。だから、あの祭りで行われたことは全くのフィクションとは言い切れないところは頭に入れとかなきゃいけない。古く、ああいうことを必要なこととしてきた時代があったということ。
とはいえ、90年に1度の祭りに異教徒アメリカ人ウェルカムなのは観ていて胡散臭すぎたけど。また、ものすごくメンドクサイ見方をすると土着の信仰を持つ人達にキリスト教徒であるアメリカ人がやられていくというのが、どこかアンチクライストな感じもする。
ちなみに劇中、恋愛要素に絡めて性的なシーンが出てきますが、日本でいうとお祭りの最中は「物忌み」と言って性行為はしちゃダメでした。
あと踊りのシーンのカメラワークが良かった。
