エミさん

ミッドサマーのエミさんのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.2
白夜特有の白々とした明るさを活かした演出や衣装、壁の色彩や散りばめられた草木や花の使い方などディテールのセンス良さに惹かれ、「どんな恐ろしさが待っているんだろう??」と、どんなにレビュアーさん達の評価で後味が悪いと評判になっていても、やっぱり好奇心が抑えられずに私も劇場に行ってしまいました…。

監督さんよぉぉ。
「 みんなが不安になるといいな 」じゃないよ〜! ( ・᷄ὢ・᷅ )
これを観て誰か、爽快感とかスッキリ感を感じられる人は居るんでしょうか!?
不安というより何ともモヤモヤ腑に落ちない感じだったなぁ。
映像でエグいホラー部分もあるけど、内容はサスペンスでしたね。

主人公ダニーを主軸に、白夜の明るさとディテールや色彩の鮮やかな様子の反面、ダニーの知らない所で粛々と行われている惨虐さのギャップときたら…。
ねぇぇ〜。
まるで生理的にじわじわと殺されていくような、私は観ていて、ネチネチいぢめられているような、そんな辛さを感じました。
ガクゥ━il||l(っω`-。)l||li━リ…

色々な種類の『恐怖』が描かれており、観る人が何を恐怖と受け止めるのか人それぞれだという意味合いも感じられて興味深かったですが、私は自分の置かれている状況がなんだか分からず、そして許された範囲内でしか自由ではなく、自分の意思を表現出来ない不自由感! そこに最も恐怖を感じさせられました。情報化社会に慣れて自分に都合のいい情報を取捨選択出来てしまうことが当たり前になってしまっている昨今において、情報が遮断され、見知らぬ所で見知らぬ人達に隔離されることが、自己支配そのものを描いていて何よりも怖かったです。

それによく考えたら、90年に1度の祝祭だから、平均的には人生で1度の体験と言える。だから殆どの人達は、毎回おんなじ事が行われているのかは誰も知らずに伝統というしきたりだけで参加させられているんですよね。何のこっちゃ分からないってやっぱり怖いです。

全くホルガの人々って何なのでしょう!?
優しそうで上っ面が清廉であるほど本当に怖い。
味方づらしておいて平気で人を蹴落とす奴を思い出します。
{{(>_<;)}} うわ〜ん

カルト集団ぢゃないですが、昔の部落社会を思い出しました。傍目には牧歌的でほのぼのとしているけど、土着の部落ルールがあって、他の追随を許さない閉鎖的なところがある所とか、日本のみならず海外でも田舎の部落には深く介入してはいけないのかも知れませんね…。
とりあえず、友達から地方の実家へ招待されても、我が身が可愛いと思うのであれば、行くのを留まって下さい。
この映画はそんなトラウマを残す作品です。
(T ^ T)

追伸:
147分でも長いと思ったのに、ディレクターズカット版170分まで出来た!!マニア熱、スゴし。驚いた。個人的には大まかを知るには147分でいいと思えるが、やっぱり好奇心旺盛なシネフィルさんなら監督の全てを観てみたいと思うのでしょうねぇぇ。

あとも1つ言いたいこと!
ネタバレなので、コメントで記載します。。