おしゃ

女性の名前のおしゃのレビュー・感想・評価

女性の名前(2018年製作の映画)
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イタリア映画祭オープニングにて。

特に最悪だったのは、主人公の裁判が終了して大団円と思いきや、その裁判を報道していた目の前の新人報道記者が同じようなセクハラ(ゆっくりと身体を触られる)を先輩社員から受けているシーン。「これからも問題はつづく」って感じだろうけど本当に最悪な気持ちになった。シーン以上に最悪なのが試写会ではおおきな笑いが起きていたこと。とても安直な例ではありますが、黒人差別がテーマの映画で、その裁判が解決し、その裁判所の目の前で黒人が未だに差別されているエンドだったら笑えるんですか? ギャグ調にしているのもやばいし、はっきり言って未だ性差別をどこかでギャグとして捉えているから笑えるんでしょうね。先が思いやられます。

「権力者に対して戦っているものを撮りたいと思って撮った」とのことで、いわゆるフェミニスト的な視点というより、セクハラ・パワハラを事件として取り上げて、その過程を追うような感じで進行する。今のいわゆるミートゥーなんかとは全く連動してないとのこと。顛末は想像できる高みの見物のようなストーリーのわりに、主人公のしんどさと行き場のなさがこちらにも伝わってきて見ていて体力だけ消耗する。

監督のトークショーの方が面白かったです。映画は嫌いでも人は嫌いにならないことを学んだ。
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