YanRay

さすらいの人 オスカー・ワイルドのYanRayのレビュー・感想・評価

5.0
‪「これは夢だ」そのセリフが言うように、死の間際の走馬灯の如く、彼の晩年は語られる。パリの暗い街灯の下で、ナポリの輝く陽光の下で。愛と美の真価を表現したオスカーワイルド。その表現は崇高なほどの滑稽さゆえに、愛に取り残され、愛に追い越されたのか。
『幸福な王子』の柔らかな言葉に秘められた著者の姿は、それとはかけ離れた、安らかなものではなかった。とても苦しい。同性愛というだけで剥ぎ取られた装飾が、つい最近の2017年まで「美しくないものは役に立たない」と熔かされていたなんて。‬
‪痛々しいほどに、憎むほどに愛は確かに見える。ルパート・エヴェレットがオスカー・ワイルドに重ねる姿や思想には何があるんだろう。それを考え始めると涙が出そうになる。‬

‪コリン・モーガンのボジー、文字通り時が止まるほどの艶やかな美。とにかく艶かしい。あまりにも美しく退廃的で野生的で、本気で目眩がした........。いやもうほんとわけがわからず泣いてた.......。美を前に人は本当に涙を流すのかと...............‬。
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