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さすらいの人 オスカー・ワイルドのadagietteのレビュー・感想・評価

4.5
ルパート・エヴェレットといえば ソ連との二重スパイ "ケンブリッジ・ファイヴ” の パブリック・スクール時代を題材にした アナザー・カントリー
1984年の作品で、パブリック・スクールも 同性愛に悩む話も インパクトがあって  コリン・ファースともども ”目が離せない”存在に。

けれども、早すぎるカミング・アウトがよくなかったか ...... 完全に仕事を干されたこともあったらしいし、ファースみたいに主役級で映画にでまくる人ではなくなってしまった。

でもねぇ、なんとも素敵なのよね。 振る舞いも くちゅっとした笑い方も もちろんおしゃべりもチャーミング
  https://www.youtube.com/watch?v=NWJyubUbw_Q

The Happy Prince を作るときいてから楽しみにしていたけれど 劇場公開の噂はなく 気づくと imdbの評価は 6.3
観られないと諦めてたんですが。
配信 ありがとうございます!

オスカー・ワイルドの最晩年を描いた作品で、彼についての説明があんまりないので、予備知識を入れてから見る方がよさそう。

大変な人気作家であったワイルドが 彼の恋人でもあったダグラスの父に訴えられ 卑猥行為で投獄され 名誉も財産もなにもかも失う。
過去の光を挟みつつ、将来の展望のない自堕落な放浪を続ける。
エヴェレットはぶよぶよと肉化粧で老醜をまといながらも なんとも優しく穏やかでユーモアのあるワイルドを演じている。

美しいです。
ヴェニスに死すのあの場面や 印象派時代の名画のオマージュシーンが 散りばめられる中 ややしゃがれた声とシワから紡ぎ出される深い深い悲しみと寂しさ。
さぞ 苦しかったであろうと 想像せずにはいられない。
やっぱり劇場で観たかったなぁ........

盟友コリン・ファースも ワイルドの良き理解者・支援者で登場している。 もうそこ 泣けました。

与える者こそ幸いなる者である.....

https://sonyclassics.com/thehappyprince/
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