同性愛が罪とされた時代に吊し上げられ石もて追われた、という所までは知識として知っていたオスカー・ワイルドの「その後」を描いたもの。才能ある人がいったん道から外れてしまった時の例に漏れず、どこまで続くかもわからないような下り坂をゆっくりと転げ落ちて行き、前を向いてもその速度が増すだけに感じられる何の希望もない流転の時間が延々と続いて基本的には辛さ強めだが...でも、描き方ひとつでもっと悲惨になるところ、この映画の原題でもある「幸福な王子」になぞらえながら時代が違えば純粋な個性だった彼の生き様を優しく包むように描いているのが印象的。
