着陸のアナウンス、各々ある種の安堵で空気が緩む時間、ひとりだけ飛行機の窓を重たい表情で覗き込むお父さんから始まる
タクシーの窓
登場人物の説明は少なく、しぐさや表情で観客に物語っていく
悲しみや特に痛々しい部分だけにだけに焦点を当てたり、過剰な劇的さもなく、ただ淡々と、生きていく毎日(洗濯機が回って、洗濯機がとまって)のなかに大切な人を失ったことが食い込んでいるさまを丁寧に丁寧に描写する
そして、家族に向けられる世論も
韓国作品でよくある、ことあるごとに激しく取り乱す演出がなく、うまく飛ばすところは飛ばして、テンポもよい
事件のシーンを回想に入れない
今生きている人たちの姿だけを描いて出来事のむごさを表現する
作為性の薄さに肉薄する現実を感じた