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月を買った男のbirichinaのレビュー・感想・評価

月を買った男(2018年製作の映画)
3.0
サルデーニャのことをおちょくりながら、サルデーニャを称えている作品。監督はサルデーニャ人とのことだから自虐ギャグってこと。
主人公をサルデーニャ島出身者らしく教育する男(田中邦衛に似ている)がよかった。
月を妻に贈った漁師の家のロケーション(海から青の洞窟のような所を船で通り抜けた岩場の上に建っている。岩にハシゴガかかっていて、そこからのぼる)がよかった。

「サルデーニャの人は死後、天国ではなく月へ行く」というセリフを聞いて、ダンテ「新曲」の天国の階層が頭に浮かんだ。
主人公が幻想の中で連れていかれた月面には、グラムシ(ファシズムに背いてサルデーニャに島送りになった。サルデーニャは流刑地だった。)、エレオノーラ妃、アルボレア(?)判事、アムシコラ(古代ローマに反乱を起こした?サルデーニャ人)がいて、みんな正義という立場を選んだ人たちだそうだ。

「月を買った」からくり
島のとある漁師が妻へ月を贈った。月を自分の所有物にするために、登記所に月を登記し、50年経たので自分のものになった。

消化不良分なところ
・晴れて諜報員テストに合格した主人公が田中邦衛にナイフをもらい、代わりにコインを渡すが、コインにはどんな意味が?
・ラスト近くで、月を贈ってもらった女が田中邦衛に「おかえり、待ってたのよ」と言うが、この二人の関係は?
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