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盗まれたカラヴァッジョのeigajikouのレビュー・感想・評価

盗まれたカラヴァッジョ(2018年製作の映画)
4.3
イタリア映画祭2019で鑑賞、
ミカエラ・ラマッツォッティが、
(近年日本公開された作品だと『ナポリの隣人』の可愛そうな隣の奥さんとか、彼女の夫パオロ・ヴィルズィ監督作品『歓びのトスカーナ』の影のある役がある)クセのある役が上手い彼女がこれもダメンズ上手すぎのアレッサンドロ・ガスマン(彼でないと反感買いそうな絶妙なキャスティング)演じる脚本家の秘書兼ゴーストライターを魅力的に演じています。

ロベルト・アンドー監督の一筋縄でいかないミステリーだけどエンタメ性も備えた作品。
映画の制作現場のバックステージものでもあるので、
イエジー・スコリモフスキ監督が映画監督役で出演しててカッコイイです!
監督の故郷シチリアのパレルモで実際に起こった未解決事件を題材にしています。マフィアが蔓延る社会問題を告発しています。

ロベルト・アンドー監督がイタリア映画祭のトークで「私はラース・フォン・トリアー監督の映画が嫌いです。ヒッチ・コックは『映画は人生の退屈な部分を取り除いたもの』と言っていましたが、トリアー監督の映画はその退屈な部分を延々と見せられるから嫌いなんです。」と言っていました。
(『盗まれたカラヴァッジョ』は退屈な部分はない映画です)
嫌いな理由はそれだけではなさそうです。
映画制作現場で働く女性を主人公にして、実は彼女の雇い主の脚本家のゴーストライターもしている設定で彼女の活躍を描くって、セクハラ告発されてるラースへの意趣返し的な意味もありそう?って思ったのでした。
(今は女性がしっかりと描けていない映画はダメな時代になっています。)
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