R

マイラのRのレビュー・感想・評価

マイラ(1970年製作の映画)
4.0
何ちゅー映画や。70年のアメリカ映画とは思えない際どさ。いまだにこの手のクレイジーさはアメリカ映画においてなかなかない気がする。全体の雰囲気はヨーロッパの艶笑コメディっぽくて、好みは分かれそう。自分もはじめはちょっと抵抗があったが、だんだん馴染んでいって最終的には大いに楽しめた。性転換して超絶美女になったマイラが、ハリウッド映画界の男性優位主義を打倒するために、IDを偽って叔父の経営する俳優学校に講師として入り込む。で、粗野でマッチョなイケメンをバックから掘りまくるという非常に楽しい内容で、マイラ演じるラクエルウェルチが大変にクール。様々にド派手なファッションを、違和感なく着こなす外見的パワーに圧倒された。この人が、最終的に意外な人物に恋心を抱いてしまうプチ切ない展開は予想外でおもしろかった。あと、女性が性のオブジェクトか慎ましい聖女のどちらかでしか見られてなかったハリウッドにおいて、俳優の卵を片っ端から食っていってる肉食系おば(あ)さんを演じたメエウェストがマジ最高! 個人的にはマイラよりこっちのほうが好き! インパクトでかすぎ! 見た目、ファッション、おかしな喋り方、おかしな動き、すべてがジワジワ最高すぎて、この人を見るためだけにもう一回見たい! ほんと、いろんな点でめちゃめちゃ変な映画で、全編にわたって昔のいろんな映画のショットが、一瞬ずつしつこいくらい挿入されるし、演出もシュール。マイラの元の姿であるマイロン君もしばしばいっしょに画面に登場し、マイラは彼にフェラしてあげたりまでする。どういうこと?笑 はちゃめちゃで反体制的かつ挑発的でありながら、どこまでもキュートでキッチュな作品。てか、あの叔父の役者どっかで見たことある、誰?って思ってたらジョンヒューストン監督やった、よくこんな映画にあんな変な役で出たな。そこそこ肌けまくってるし。
R

R