リラックス

男から女へ性転換をして世間をアッといわせた男の変わったロマンス劇

ハレンチ

独特な感じ
はじまりからスゴい

おじ様
ストーリーはめちゃくちゃ

映画の映像、歌もあり

ラクエル・ウェルチがお美しいです

男性から女性に、マイロンからマイラに性転換した女が繰り広げるラクウェル・ウェルチ主演のコメディ。

何やらサイケデリックな性転換手術シーンから始まり、ミュージカル調になったり映画とは関係ない別の映像が時折挟まれたりと中々に忙しない内容。
どうやらマイラも肉体と精神が完全に女になった訳では無く、前の肉体であるマイロンが分身として頻繁に目の前に現れて心を乱す。
男だからこそ、女だからこその状況でもお構いなしに現れるマイロンのお邪魔虫的な立ち位置が、身体は女でありながらも男の心を捨てきれないどっちつかずな感情を表していた。

自分をマイロンと結婚した妻と嘯き、財産分与を狙うマイラは伯父が経営する俳優学校に教師として雇われる事に成功する。
そこで知り合ったイケメン、ラスティと、彼の恋人メリー・アンの両方を手に入れてしまおうとするマイラ。
ラスティへの誘惑の仕方が、「検査するから服脱いで」とかなり強引で、拒まれたとしてもなんのそのですんごいグイグイと攻めて行く。
しかもその勢いに負けて後ろの穴から受け入れてしまうラスティのオトコらしさと、それに被さるダム決壊・大爆発などの映像がとんでもない射精量を想像させて下品なのだが笑えた。
射精の瞬間にシャンパンボトルを開ける映像が挟まれるというベタベタな演出なのだけど、その深夜のエロ番組みたいな感じがまた良い。

伯父のパトロンである超ド派手なおばあさんレティシアの、化粧極厚塗りで年齢に見合わない若々し過ぎるファッションも凄かった。
若くてイケメンな俳優達を飼い慣らし、そのエキスを吸いまくって造り上げた身体と歌声はいつまでも「ボヘミアン」の声量が衰えない葛城ユキみたいだった。
年齢不詳な感じも似ていてそっくり。

レティシアの存在感が巨大過ぎて、マイラがいくら派手に着飾っても全く勝てる要素が無いところが完全に主役を食っているのだが、まぁそれも自分を偽っても元来のポテンシャル以上のものは出て来ないよという事かもしれないけれど。

映画評論家の青年が性転換して女性になる先日亡くなったラクエル・ウェルチ主演のカルトコメディ。

ハリウッドの男性優位社会・男らしさを批判しているとも捉えられる今作は70年代の作品とは思えない位に先進的＆挑戦的でマイケル・サーンというイギリス人監督ならではの発想かも。しかしながら自分がイメージしたフェミニズム的要素もあまり無ければアメリカで未だに蔓延している男らしさ（＝マッチョイズム）を批判・否定するわけでもなく社会的メッセージ性は希薄でコメディとしても笑える箇所はそんなに多くなく。しかしながら往年の名作のシーンが次々と挟まれたり男性だった時の自分も登場するカオスな展開はジェットコースター的でもありアメリカンフラッグの水着をはじめとするラクエルのビジュアルを観るだけでもそれなりに楽しめます。

売れる前のファラ・フォーセットや髭なしトム・セレック等々豪華なキャストにも注目。