とり

炎のメモリアルのとりのレビュー・感想・評価

炎のメモリアル(2004年製作の映画)
3.9
劇場で観たかった映画。
自宅でDVDで観てやっぱり劇場で観たかったな~と思った。
大爆発の音響が凄くよくできてる。劇場で観たら自分が炎に囲まれたような気分になったかも。
消防署で突然鳴り響く火災発生のベル音も緊張感が高まってよかった。
消防士という仕事ぶりがとても真面目に描かれている上、かなりの時間を割いてあるのがちょっと意外というか、予想してなかった。
荒筋を全く知らなかったというのもあるけど。
自らの命を省みず他人の命を救うというのは、私にはぜったいにできない。消防士にだって大切な家族がいる。悲しむ人たちがいるのに、なぜそこまでして?という疑問にホアキン・フェニックス扮する主人公は一つの答えを出しています。
この回答には理由はいらないという説得力をもって。
全体的にパッとしない印象もありますが、よくできた脚本だと思いました。
導入部分のエピソードを上手く使ってるなぁと観ながら感心。
緊迫の消防活動と温かい家庭シーンが交互に描かれておりメリハリがあるし、心理描写がわかりやすくて親切。
ちょっと予想を裏切るラストだったので「へぇ~ハリウッド映画まるだしってわけでもないんや…」と思ったのも束の間、その後リーダーが民衆の前で熱く語り始めたので、苦笑。
ただし、いつものハリウッド映画のようなアメリカの大統領や軍隊幹部ではなく、消防士だったので、げんなり度は低め。
政治色がほとんどないというのもあるけど、やっぱり身近に感じるからというのがその理由かな。
とりあえずこういうシーンを見ると、「タワーリングインフェルノ」のオハラハン隊長(スティーブ・マックィーン)のセリフが私の中でずっしりと重みを増して降りてきます。
「まったく建築家というやつは・・(略)確実に消火できるのは3階までだ。」
炎のプロである彼らはわかっていながら、人命救助のために明らかに危険な建物内に入っていくんですよね。その勇気に物凄く心打たれます。
炎のメモリアルでもその辺の精神がきちんと描かれていたと思います。
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