しゅん

壁画・壁画たちのしゅんのレビュー・感想・評価

壁画・壁画たち(1981年製作の映画)
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新文芸坐シネマテーク

『顔たち、ところどころ』はここに繋がっていたのか。
ストリートアートとしての壁画。ロサンゼルスの街角に現れるのは思った以上に細やかに写実的に描かれたペインティング。自己表現から描いたものもあれば、店の宣伝を依頼されて描いた絵もでてくる。キリスト教三位一体をアメリカの俳優で表したやつとデカい結婚式の絵が印象深いな。
大量に映される絵とペインターたちのインタビューから立ち現れる暴力への怒りやメキシコの民族性という主題を経て、やがて絵の儚い運命に想いを馳せる。崩壊した高速道路の絵は冒頭と終盤に二回登場していた。

常に横切る自転車やスケートボーダーと共に絵を映すのも特徴的で、街と人と絵画の協同関係を表そうとしていることがわかる。景気のいいディスコミュージックが景気良く使われる中、ハイウェイ際で演奏するメキシカンパンクバンドLos Illegalsのハードで走りまくる演奏が熱い。『夢見るシャンソン人形』のインストバージョンのような曲はなんだろう?
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