Jimmy

君死に給うことなかれのJimmyのレビュー・感想・評価

君死に給うことなかれ(1954年製作の映画)
3.8
司葉子のデビュー作。
現代ものかと思ったら、戦時中~戦後(直後)の物語だった。

東宝作品であり、当初は有馬稲子が池部良の相手役の予定だったが、有馬稲子が病気で降板したため、当時の雑誌(家庭よみうり)の表紙を飾っていた司葉子が代役として抜擢されたとのこと。プロデューサーの田中友幸が司葉子の勤務先(大坂)まで出演オファーに行ってデビュー作となった。司葉子の名付け親は、本作相手方の池部良。

物語は、戦時中に出会った二人(池部良と司葉子)が相思相愛となる。出会いのきっかけは、池部良の母親が入院していた病院の看護婦が司葉子。司葉子の看護婦姿もナイス!
そして司葉子は広島に帰り、池部良には召集令状が来て、二人は終戦前に離ればなれになる。
そして5年後。戦後である。池部良は司葉子を探し回るが見つからない。司葉子は広島で被爆していたのだった。そして、ケロイドだけでなく、白血病の疑いも…。
二人は再会するのだが……といったメロドラマ。
池部良の身勝手さがやや目立つ物語だった。(来ないで!…と言う女性にドンドンとアタックするなど)
司葉子は初々しい感じ。演技がどうこうではなく、若くて綺麗なので存在感が光る。

しかし、司葉子が本作に出演していなかったら、成瀬・小津・黒澤などの映画に司葉子が出演することもなかったわけで、運命というのは不思議なものだと思う。
Jimmy

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