留

日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章の留のレビュー・感想・評価

1.0
点数は渡辺暁雄の指揮に対して。
俳優陣は皆それらしくオーケストラのプレイヤーを演じているが、「それらしく」でしかない。渡辺暁雄はそのままで真っ当な音楽家である。
日フィルが分裂する原因にもなり、フジサンケイグループと斗うことをいさぎよしとしなかった、あのイヤミ(かなり否定的に映画では描かれている)な指揮者 堂本一生は小澤征爾だったんですね。ちょっとショック。彼こそが反骨の音楽家だと思ってたので。憎むべきはフジサンケイグループなのになぁ!
主人公 樺沢(風間杜夫)が友人がウィーンに行くと聞いて落ち込み、飲んだくれて荒れる描写がけっこう続く。ここに陰々としたセンチメンタルな音楽がこれでもかと流されるが、ホントやめてほしい。古くさくダサい。
クライマックスはラスト、樺沢の故郷 信州でのコンサートにしているのだろうが、満席のコンサート会場でいきなり《新世界》交響曲の第4楽章が始まり延々と10分ほど最後まで演奏される。で、万雷の拍手喝さいとアンコールの子供達の歌う《故郷》とオケの伴奏。風間と田中が雪景色の中を睦まじく歩いていくショットで終わる。
これ、映画じゃないでしょ!

高橋克典、どこに出てるのかどうしても分からなかった。
殿山泰司からチケットを買う黒縁メガネのちょっとおデブな高校生じゃないよね?
留