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命みじかし、恋せよ乙女のtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

命みじかし、恋せよ乙女(2019年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

前作「HANAMI」で監督の日本美への造詣の深さを知っており、続編を、前作観賞なくても、楽しめると聞き、鑑賞。

Prime Video 見放題にかろうじて有りました。感謝

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書評の前に、少し小ネタ。

受験勉強の古文とか、高校時代の芸術鑑賞なんて、居眠りしてたダメな私が書く資格全くないけど、その後の人生でひょんな事から、受験生達を兎に角、ご本人のため、親御さまのため、超難関校 合格必達システム掲げ、まさかのお受験塾を開くようになるに辺り、過去の不勉強を棚に上げ

現役高校生と共に、毎年日本の冬に赤門の有る文京区で、一次試験を合格で終え、二次試験を、本来合格したい入学生に譲るという
かなり滑稽な、試験監督も流石に、
おいおい?!オッサン、お前、何浪、いや、何十浪人してんのよ???
と3度見どころか

現役受験生さま達からも
ビビる変な受験趣味の人扱いも受けつつも

自分が合格pass出来なくなったら
塾を畳むと
看板無し、紹介のみで彼此、今年の冬の受験シーズンを過ぎれば四半世紀。汗

完全なる隙間産業ながら、要らない業種で、受験システムなんか、ぶっ壊せ!と思いつつ、
1年でご子息ご令嬢さま授業料10MJPY

最初10人合格必達から今は、クラウドの塾になって、本業の傍ら、期間工なように
クリスマスも正月も返上し、毎年塾生を、
最高学府の上位順位で、また、母校へと
進学のお手伝いさんをして来た。

長いな、前置き。
嫌いな古文や芸術鑑賞の課外授業、少し思い出す時、
能狂言や、ネットやスマホも無い、ライブ配信も無い時代に

和歌を詠み、そこに本説(ほんせつ、ほんぜつ、又は、ほんぜち)をくみ取り、
返歌を返し、紡いできた歌人や、日本の天皇制度の天皇さまの歌会にある、

描かれる日本の美や美徳、文化伝統や、その
典拠(てんきょ。原典にあたる、正しいフック。それを知り得ている事を前提に、相手に返歌を返せる歌人の知識量と造詣の深さの、一つのゲージ)
にあたり、

能狂言に、お面が出て来る。
漸く映画の本題へ。ごめんなさい、長くて。

もし、能に詳しい方居たら、間違い指摘をコメントでして欲しいです。

不確かで頭でっかちかもしれないから。

その上で不完全な経験と知識の範囲で
この映画作品から感じた、評を書こうと思いました。

能面、色んな種類有ります。
大概は、女面(おんなめん。女性の無表情なお面)と般若(はんにゃ、鬼のお面)くらいは
持っては居なくても
見掛けたか?知ってたりはするかな?

お面は宗教的要素が元々は強く宗教儀礼で使われたら、その後保管せず、焼くか?水に流してしまうんですよ。

買ったら現代では造り手も少ない故、決してお安くはないものであれ。
美術品に出回る、捨てられない量産型は、
桐箱に入れられ、造り手の名が入り、高いお値段で買われる。

さて、この能でもし、宗家(家元と呼ぶのは公家の嗜みの世界。歴史ある世阿弥を頂点とする、能は嫡男相談の、天皇家大家族制度に模した制度となっておりこの名を名乗る)相伝の、お家芸は有り

嫌いでなければ、能の方も、楽しんで欲しいです。

観阿弥や野村、などの苗字を名乗る方々の活躍で現在も知ってるって方も居ると思う。

そんな女面が出て来る。
(漸くこの映画の伝えたい事への、小道具の女面と着物が指し示す、意味に繋がる)

女の顔をお面にしたとしても
人間だもの。百面相とは行かずとも、
少女も有れば、未婚の女、鬼嫁も有れば、
老婆まであるんです。

今回は、おたふく顔でもなく、
ふつーの能面の女面、無表情なものとしておきましょう。

舞踏が神事に近しく宗教的な事は過去はあり、
今は、現代にも生き残る日本の文化伝統として、人間国宝も居られる、また、日本芸術院や文化庁より、表彰も受けられる宗家も居られる世界ゆえ

その重みは、少し感じつつ
何故映画に、その面が出て来たかを
ラストに備え、考えつつ観ると

私個人はとても興味深い。

また本作が、世界初出演となり、
遺作ともなってしまわれた、故 樹木希林さんの
大いなる存在感に支えられ

ドイツで作られた作品が、国境を越え
演者の力を借り、
良いストーリーとして、
現代に問題提起してくれる。

テーマは小さな人々の世界と個人の想いと孤独や絶望感や、救えない苦悩を
どう解放に昇華させるか?は

どれひとつとして人の人生には
受験と違って正解がまるで無い世界で

一定の解を、私たち鑑賞者に導いてくださる作りとなっています。

映画制作や演者、また、裏方で売込みをする、
活動人として観ると

おー!小津安二郎監督リスペクトもあるのか?!とか、
そういう解釈って、ドイツも日本も
或いは他の国でも、

家族の苦悩や、親が想う子供への期待と絶望は
案外似ていたり、そっくりなのを
受験制度を通してしか、知り得ない狭い狭い世界で

塾生を通して、父母会を通じて、家族像を知る事は大人ですしビジネスですので多々あり

今後の、若い可能性に満ちた若い人々を
より明るい、苦悩や挫折の少なめの方に
push upしたい私たちには
学べるストーリーになってました。

病む人、引きこもる人、
家族の中でも兄弟姉妹でイジメに遭い、スケープゴートにされ
そのまま大人となってしまい

取り残されたまま、心に傷を負って、大人になりきれないのを無理に
女らしく/男らしく、生きようとして
挫折したり、離婚したり。

どれひとつとして、不正解でも無いのですよね。
離婚したから、バツが付いたら、ダメとか。

未婚の初婚の女性のパートナー選びは、
もはや、偏見と無礼の塊でしかなく

人の内面性や本当の優しさや冷たさ、
逆境に立たされた時に、それでも逃げずに
添い遂げ、寄り添い愛し合える、深い愛情が有るのか?

なんて、見抜かず、パートナー探しするでしょ?!
(うー、私とて偏見か?!海より深く反省。ごめん)

そんな心に傷を抱えたドイツ男が
不思議な日本人の若い女性に惹かれ、やがて心を開くまでになる中で

諸々の遺産相続問題や
ドイツ政治政党支持問題やら
あれこれ出て来る。

素の部分で、昨今、旧◯◯教会というキリスト教じゃないとローマバチカンから、
ありゃカルトだと、烙印押されてる、自称、戦後新興宗教ではなく

八百万の神の居る日本に於いて
旧暦陰暦の十月は神さま皆んなお伊勢参りで
全国から居なくなり

翌月は神無月(モノマネベテラン芸人さんではなく、旧暦の十一月ね!笑)

そんな秋冬を
ドイツで過ごし、父母の死ぬ前の思いを
まさかの、霊との体験から己の知らなかった、
家族の現実を知り

後悔先に立たずを、映画ストーリーは
残酷にも描いてゆくんですよね。

言ってくれよ、生きてた時にさ?!っていう
本当に、家族愛とかって
親死んで遺産相続で、兄弟姉妹の本性を知るとは
国内でもザラに有り

弁護士先生方はどんな法律もベテランですからね
対応して下さいます。

資格的にはひとつ下に権限が与うる、司法書士の先生方は、資料周り集めなどもされ
弁護士法を逸脱しない世界で

法律の仕事をして下さいますが
ドロドロするし決着まで(書き方、語弊有りますが、儲けを手にするまで)
時間掛かる、相続を避けがちな現実も有ったり。

人の生と死を分つものってあるよなと。

それは、葬儀やお弔いもそう。

死んであの世(どの世?!)に逝く者と
この世に遺族で生き残るものを

確実に隔絶させ切る儀式でも有り
これは、国の違いはあれ、
近現代は、土俗民族を除いては
法的には大体変わらなそう。

今回の霊は、悪霊。
でもホーンテッドなものでもないし
ハロウィン的でもない。

呪怨的でも貞子的でもなくて

世俗的な表現に当て嵌めるのが、脚本家であり監督へ、失礼になりそうで躊躇うが

生き霊、或いは、地縛霊的な
会える(かもしれない)霊

もしくはアニミズム的に書けば
八百万の神の、現世救済に現れる、
仏教なら、阿弥陀如来さま、大日如来さまらの手のひらの薬指の指先から、ポーンと弾かれて

苦悩する人を救済しに派遣されるシステムの
菩薩さま。
例えば、観音菩薩さまとか、
道端に居られる、地蔵菩薩さまとかさ。

仏教徒では無いから詳しくは知らないのでまちがってるかもだけど。

そんな身近な霊を、悪霊と思っていたが

innerな心との対話を通じ
人って成長したり
投げ掛けた人生をも一度だけやり直そうとも
することもあるのが
素晴らしいことでもあり

それを選択出来るのは、生きている人間のみなんだという事を
Japan unit teamが丁寧に描き、
遺作となられた大女優、樹木希林さんの圧巻の
さりげない演技と、その含蓄ある台詞に

はたと、一皮も二皮も、如何に今後を生きてゆこうか?と
ドイツ男は、男か女か関係無く

国指定 重要文化財になっている、
神奈川の宿にて、その街のお祭りで神々が降りて来て

そして、愛してしまった悪霊と再会出来て。

彼はどんな人生の選択をするか?

ハンカチをご持参で、ご堪能あれ。
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制作・配給 オルガフィルム
脚本・監督 ドーリス・デリエ (2018制作, 2019-08-16 より公開)

映画の原作タイトルは
ドイツ語 Kirschblüten & Dämonen
(拙い私の訳だと、花と鬼。)

邦題は、映画内にても歌われた
かつての古い流行歌、

命みじかし恋せよ乙女

とタイトルされている。

出演 ゴロ・テイラー、入月絢(いりづきあや)、樹木希林 他

生きるとは?を問われるストーリーで、ホラーではありません、念のため。

観て良かったし、
桃井かおりと入月絢の、同監督制作の
前作も、良き良き。^ - ^)ノ
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