ノッチ

新・夕暮れにベルが鳴るのノッチのレビュー・感想・評価

新・夕暮れにベルが鳴る(1993年製作の映画)
3.0
前作から8年後。

留守を言いつかったベビーシッターがまたも同じ様な手口により襲われた。

被害者ジュリアから事件を聞いたジルは、探偵クリフォードと共に調査を開始するが……。

79年に製作され好評を得た『夕暮れにベルが鳴る』の続編TVムービー。

フィルマークスさんにリクエストしたら、いつの間にか追加されてました。

監督は前作に引き続いてF・ウォルトンが担当。

前作のヒロインのキャロル・ケインと、探偵役のチャールズ・ダーニングも同じ役で出てきます。

今回は電話ではなく、戸口に現れた見知らぬ男を使い、しつこくジュリアのもとに訪れさせる演出をしている。

まぁ結局は前作と同じ様な犯人捜しになるんだけど。

作品的にはTVムービーレベルの作品です。

とはいえ、そこらのB級ホラーよりはレベルが高い。

というかぶっちゃけ、前作より面白かった。

おどかしや怖がらせ以上の面白さが、この映画にはあると思う。

前作と同じように、始まりから激しくてスリル満点で、ラストも印象的な終わりかたをする。

いわゆる「ショック映像」に頼らず、「忍び寄る犯人」に重きを置き、不気味な雰囲気を醸し出している。

なんとなく日常的にありえそうな感じです。

しかも前作とは異なり、この映画の中盤はそれほど退屈しませんでした。

確かに話の進み具合が少し遅く感じますが、内容は常に面白いですし、けっこう独創的なアイデアに溢れている。

世捨て人の目線から見た社会の冷たさ。

なんで俺は生きてるんだという絶望感。

そういう底辺社会の生活感が、うまくホラーとドッキングしてる。

役者陣の演技も光る、よくできた格差社会ホラーでした。
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